Playing Cards の品質を左右する製造工程やその違いについて(Unclear information) ①
ただのDeck好きなおやじの自分が、Deckについて大層なタイトルな記事を書こうとしています。色々な情報が調べられる昨今ですが、その情報の信用性については保証できるものはすくなく、
今回 取り扱うのは商品やその品質に関わる情報の一部であることから、外部にホイホイと漏れ出すようなものではないのです。
ただ、Deckを愛する人や、更なる高品質なDeckを制作しようと、様々な考察を重ねたりした人たちがまとめた記事などから、自分が分かりやすかったものを、自分の解釈でまとめた内容になりますので、より不明瞭な情報となります。
もっと詳しく、詳細な情報がしりたいかたは、ご自分でも調べて頂いたらと思います。
前置きが長くなりました。
STOCK.
前記事からの繋がりを持たせるために、Classic Stockからの説明をしていきます。
Stockとはあるプロセスをもって制作されるDeckの紙の名称を言います。
日本でMagicで使うDeckを購入しようとすると、最初はBicycleというUSPCC(United States Playing Card Company)のDeckを手に取る方が多いでしょう。
↑画像はコストコで売られている量産タイプの格安Bicycleです。
Magic用のDeckの多くは紙品質のもので、Pasteboard(厚紙)で制作されますが、実際は3層構造です。Cardの表、裏面になる印刷面と、それらを接着する形で中央部分には接着層があります。通常この接着層は黒色っぽいものが多いように思います。
それにより反対面が透けて見えないというような機能に貢献しています。
この三層で構成されるプロセスをもった紙をStockと称しています。
USPCCは1867年創業という長い歴史があり、主工場の移転や戦争など様々は変化があったことは想像に難くはないですよね。
そのため歴史を紐解く作業は非常に困難です。そして時代の流れとともに姿を変えていった技術なども沢山あるでしょう。今回はそこにはあまり触れずにまとめていきます。
現在のUSPCCの取り扱っているStockは3種類
Classic Stock(Bicycle Stock)…標準的
Premium Stock(Bee stock)…Classicより厚くて、硬い
Thin-Crush stock …薄く、柔らかい D&D ProduceのDeckに多く使用されています。
使用されている紙は同じで、ClassicとPremiumの違いは厚さで測定され、決定されます。厚さの判定は機械処理のようですが、そこにはムラが生じることもあり、同じStockなのに品質に差異が生じる要素にもなっているようです。
また、ClassicとPremiumにはOptionもありcrushedするかしないかです。したがってcrushed Stockという名前のStockが存在するのではなく、便宜上そう称しているようです。
FINISH.
続いてはMagic Finishについてです。Finishとは仕上げのコーティングのことです。Cardの表面はツルツルとしたりサラサラとしたり、プラスチックじゃないのかと錯覚する手触りに感じたことがある人も多いと思います。このコーティングは、Cardの滑りの良さを生み出す効果や、紙の天敵でもある湿気からデックを守る目的もあるようです。
現在のUSPCCのFinishは2種類。Standard FinishとMagic Finishです。
USPCCでは15000以上のオーダーではStandard Finishが適応されます。若干滑りにくいものだそうです。
それ以下のオーダーにはMagic Finishが使用されているようです。
Magic Finishは2011年頃に開発され、これは少し滑りやすく、Cardをより簡単にスライドさせます。ブランドによっては異なる名称があてられます。Ellusionistはこれと同じコーティングをPerformance Coatingと呼んでいます。
カスタムDeckは生産数に限りがあるので、Magic Finishが適応されることが必然的に多くなるようです。
TEXTURE.
テクスチャーとは、材料の表面の視覚的な色や明るさの均質さ、触覚的な比力の強弱を感じる凹凸といった部分的変化を、全体的にとらえた特徴、材質感覚、効果を指す。 (Wikipediaより)
Deckを集めていると、テクスチャーがfinish名になっているDeckがあることに気づいてくると思います。
たとえば、アビエイターはIvory Finish、エンボスがないので有名です。
↑(左)TEXAN(MARLBORO)、(右)ACE FULTON'S CASINO
ここら辺もエンボスなしでアイボリーと称されています。
現在、ほとんどのDeckはエンボステクスチャになっています。紙にくぼみがあり、カードの摩擦を減らしています。これを「エアクッション」と呼んでいるんですね。Bicycleのタックケースの側面に書かれてます。
昔はこのエンボスのディンプル(くぼみのこと。ゴルフボールの点々みたいな感じ)は作成方法が異なっていたそうです。
ローラーを使用した工程でディンブルが作成されていたようです。コットンローラーが使用されていたとか諸説あるようですが、詳細は良くわかりません。ただ、今でも見かけるfinish名(リネン、カンブリック、リノイドなど)は、ローラーで使用されていた生地に由来したようです。現在ではスチールローラーを押しあて、エンボス加工の効果を生み出す作業が標準のようです。
Air-Cushion finish (Bicycle)、Linoid finish(Tally Ho)、Cambric finish(Bee decks)など良くみるfinish名がありますが、工程作業は同じのようです。
Stock、Finish、Textureについて触れましたが、機械化による標準化がされ、商品化できるかどうかの判定基準も設けられているようですが、それでもムラは生じます。品質のコントロールも可能です。例えばtextureのディンブルは深さ(浅さ)によって、Cardの柔軟性にも影響はあるでしょうし。ムラに関していえばロット差とも表現できるでしょう。
標準化されても、それぞれのDeckに個性が生じているのは事実であり、それが面白い所だったり深いところです。
端折った説明だと こういった内容は、まったく伝わらず面白さも何もないので、長文になりましたが書きました。
まだ綴りたい内容は沢山あるので、近々UPします。良かったら、見て頂いてコメントを残してくれたらうれしいです。