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Playing Cards の品質を左右する製造工程やその違いについて(Unclear information) ②

前回からの続きです。

Playing Cards の品質を左右する製造工程やその違いについて(Unclear information) ① - chosukejapan’s blog

 

CUT.

USPCCの裁断技術やファローシャッフルなどの歴史情報はネット上に様々にでていますので、詳細に説明をするには、自分の情報処理も間に合いませんので簡単に…。

USPCCは2009年のKY工場への工場移転時に古くなった製造機器を処分したことから、品質の変化(低下)という問題を抱え、その問題克服に取り込むことになって言った訳ですが、このことが良くも悪くもOHIO製の神格化や、現在のUSPCC製の高品質Deck製造への進歩の足掛かりになったのも、また事実です。

有名なのは裁断機の新調?。

それを憂いたRichard Turner。(ゴルスタの話は有名ですよね)

現在のDeckの裁断向きはモダンカット(バックからフェイスへの裁断、つまりバックからスムーズに入る形の為、従来のテーブルファローは困難)になっています。

以前はトラディショナルカット(フェイスからバックへの裁断、フェイスから入りやすい)が主流で、テーブルマジシャンやギャンブリングでは扱いやすいカッティングだったのでしょう。

そのほかにもエッジの断面の粗さが生じていたり、Stockそのものの品質にも劣化現象が生じていたようです。

現在では、カッティングの向きはオプションで選択できるようです。

作り手、扱い手の好む裁断でデックが制作できるのは良い変化なのではないでしょうか。ちなみに自分はどっちも好きですが、トラディショナルの方が気軽に手遊びできます。

 

ここでUSPCCと少し離れ、他の製作工場の裁断についてふれてみます。

最近台頭してきた台湾製や中国製(EPCC/LPCC)などのPLAYING CARDSのエッジは粗さが非常に抑えられており、時にはつるっとした切断面ともいえるようなクリーンエッジのDeckがあり、Diamond Cut(正式名称かは、わかりませんが)と称しているようです。またそれはファローにも適応しており、トラディショナルカットど同方向のカッティングになっています。

そのほか、裁断が鋭利な工場としてMPCやNPCC(ウクライナ)がありますが、ここではレザーカットが使用されているようで、ベベル(傾斜)が形成されることを妨げてしまうようで、ファローに適しません。もしかしたら日本製のIDEALも似た製造過程だったのかもしれません。

 

そのほか大手のCartamundiはエッジのざらつきはあるものの、個人的にはダイヤモンドカット>Cartamundi>USPCCのような立ち位置です。

ファローはモダンカットが多いように思います。

PRINTING.

UCPCCのDeckで気になるところと言われて、Deck好きの人であれば多くの人が「強いてあげれば」とでてくる内容が「印刷ずれ」

Deck DealerやCollectorがUSPCCは早く改善した方がよいと指摘する様子を見たり、読んだりしますが、実際は改善可能なものなのか。

USPCCのDeckの多くはウェブプレス印刷です。youtubeで昔、USPCC工場での印刷過程を紹介する動画を見たことがあります。(↓Bicycle Cards)


How Playing Cards Are Made at Bicycle®

大量のウェブプレス印刷の欠点は、印刷位置の合わせずれにより、主にボーダーのズレが生じてしまうことがあることです。

しかしながらCard GameやカジノCard等のDeckを生産している大手工場Cartamundiには同様の問題は発生していないのでしょうか。

自分が所有しているCOPAGには目立つ印刷ずれはないですし、その他のCartamundi製デックはCustomDeck比率が多いので、生産数の少ないものだと思うので、Cartamundiには印刷ずれはないと言い切れるほどCartamundiのDeckには触れられていません。

 

で、調べたところ、枚葉印刷(機)という印刷方法があるようです。この枚葉機ではカットされた紙を使用して印刷を行うことで、品質を重視した印刷ができるようです。

EPCCやLPCC(使用する工場、設備は同じようです。)はこの枚葉印刷機を使用しDeckを制作しているようで、生産数も多いであろうCartamundiもこの枚葉印刷のようです。

コスト、品質管理には厳しい基準を設けている国柄のUSPCCなので、もしかしたら変革も可能な範疇にあるのかもしれませんが、改善にかかるコストなどを考えると難しいのでしょうか。

ただ、枚葉印刷をUSPCCがまったくしていないわけではないと個人的には思うのです。USPCCのCustomDeckで印刷ずれのないDeck(個人的には最近ではAGENDA CLASSICとか)もあるので、生産オプションに入っているのかもしれないですね。

ただそうなると、生産数が限られたりと、他の問題も出てきそうですね。

 

OTHER PUBLISHERS.

ここまで綴るつもりはなかったのですが、記事を書いているうちに個人的に株を上げてきているEPCC。

Carmundiもそうなのですが、枚葉印刷なのでサプライヤー(メーカー)からStockを調達し、Deckを製造します。

最近ではCartamundiのスーパーラックス(でしたっけ)を製造していた工場が倒産。新規にSlim Lineを採用しました。これと同様な感じでしょうか。

以下のStock(Finish込み)があるようです。

Diamond/Master Finish:薄めだが硬い紙質、薄いエンボス、

Classic Finish:厚い紙質、USPCC似、エンボスAIR-CUSHION似

Elite/Damask Finish:厚い紙質、USPCC似、深いエンボス

Emerald/JN Finish:より薄めだが硬い紙質、薄いエンボス※中国JN Finishはもちが悪いかも

参考)https://playingcarddecks.com/

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EPCC製Superior SKULL&BONES 質はかなり良いと思います。

(ただJN FINISHなので少し心配ですが…。)

 

個人的には台湾製の代名詞だとHanson Chien Production Companyなんですが、

台湾製もStockやfinishの組み合わせで、

品質も豊富で質も段々変わってきているように思います。

Stock:CLASSIC PAPER  ARTIST PAPER  LUXURY PAPER

Finish:ROYAL FINISH  MAGIC FINISH  LEGENDARY FINISH

(他にも名称ありそうですが、出てこんかった。)

 

Ink.

その他、インクや発色剤も品質に影響があるかと。

最近だとタックケースだけでなくてCard自体にMetallic Hot Foil(箔押し)や、Cold Foilなんてのも出てきてます。Die Cut何て言って穴をあけたりしているのもあるようです。

新しい素材でも品質が変わっていきそうですね。

ニス加工に似たタックケースのSpot UV printingなんて加工も出てきてます。

 

USPCCのClassic Stockってなんだ?って思い調べ始めたら、ここまで話が膨らみ、ほんの少しDeckについて知っていることが増えたかなって感じです。

本当奥が深いですね。疲れたけど、まとめていて楽しかったです。

最後まで読んでくれた方、もしいたらありがとうございました。需要があったら、また何か機会があったら調べものして、まとめていこうかな何て思います。